K-Master's Thinking

しがない飲み屋のマスターが、世の中のことを考える。

「裁量労働制」について考える。適用範囲の拡大、その先に待っているものは?

こんにちは。KIMAMASTERです。

 

最近、国会では「裁量労働制」についての議論が紛糾しています。

厚労省のデータが不適切との話題が中心で、本質的な議論がされていないですね。

 

裁量労働制とは?

自分で仕事の手順や時間配分を決めて働くことで、あらかじめ決めた時間を働いたものと見なされる制度。

「定額働かせ放題」なんて揶揄されています。

でも、そういった型のほうが適する業務があるわけです。

 

(現在、裁量労働制が認められている業務 )

①専門業務型

研究開発、プログラミング、ゲーム開発。

放送関係。プロデューサーやディレクター。

コピーライター。デザイナーやコーディネーター。

証券アナリスト。大学教授。

クライアントの問題を解決する、弁護士や税理士、会計士、建築士…。

等々。

 

②企画業務型

経営企画(事業の企画、立案、調査、分析)の仕事。

 

いずれかに該当する場合のみ、採用できます。

これらの仕事が「裁量労働制」に適することは一目瞭然です。

(②の方は微妙ですが…。)

 

今回の改正で、この範囲を広げようとしています。

経営側はどのあたりまで、裁量労働制の射程を広げようとしているのか?

 

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改正の内容を見てみると…。

Ⅰ 課題解決型提案営業

法人顧客の事業の調査・分析をして、企画・立案を行い、ニーズに合った新商品を開発し、販売すること。

(法人顧客に対する営業って、普通、こんな感じなのでは??)

 

Ⅱ 裁量的にPDCAを回す仕事

自社の事業の調査・分析をして、企画・立案を行い、それを活用して事業の管理・評価を行う。

(う~ん、いまいちイメージが沸かない。これをやるのは管理職な気がするが…。)

 

恣意的に解釈すれば、いくらでも射程は広がって行きそう。

経営側は何を求めているのだろうか?

単に「定額働かせ放題」を求めているとは思えないのだが…。

 

正社員という制度の瓦解が始まる!?

内容を一読すると…、

残業時間の上限規制とセットになっているので、それを裁量労働制を拡大することにより骨抜きにする。

そんな意図が見え隠れするのだが…、そんな単純な図式なのだろうか?

 

これは穿った見方かもしれないが…、

経営側は正社員を選別しようとしているのではないか?

優秀な社員には大きな「裁量」と、高額の「報酬」を与えて囲い込む。

そうでない社員は「定額働かせ放題」でこき使う。「裁量」は与えるが「ノルマ」で縛る。

 

同じ正社員でも「格差」が生まれてくる予兆ではないか?

正社員であることに胡座をかいて、労働者の権利ばかり主張してだらだら過ごし、生活のために残業しているような人たち。

そのような社員は今後淘汰されていく、そのきっかけになりそうな気がします。

 

 

経営側の最終目的は?

ちょっと怖い考えだが、経営側の最終目的は「解雇の自由化」なのではないか?

いきなりそこでは非現実的なので、その前段階として「裁量労働制の拡大」を掲げた。

 

成長が難しい時代になって、全体のパイは限られてくる。

採用した社員全員を、定年まで抱え込むことは困難な時代になる。

経営側に解雇の自由度があれば、社員の選別も可能になる。

まずは裁量労働制で社員の選別を。

そんな意図を感じてしまう。

 

そうなると「正社員の瓦解」というより、「日本的雇用制度の瓦解」と言った方が良いかも知れない。

 

・・・・・

 

確かに「労働時間で報酬が決まる」というのは時代遅れな部分もある。

正社員の報酬を時間で計るのは難しいと思う。

海外を見ると、ホワイトカラーは月給制や年棒制で、それ以外は正社員でも「時給制」が多いとのこと。

 

ただ、このまま拡大されれば労働側の懸念通り、定額働かせ放題になる恐れもある。

 

不毛な議論をしていないで、働き方の将来像も含め、双方にとって実のある制度の構築をして頂きたいものです。

 

 

過去に書いた関連記事です。

kimama2016.hateblo.jp

 

 

長い文章をお読み頂き、ありがとうございます。